この夏いちばんの超大作

ダラダラとラクガキする会、通称「ダラクの会」という名で、絵チャットを借りてます。
そのダラクの会でこの夏、2週間ほど掛けてやった合作について、いつか書かねばなるまい！と思ってたのですが、何ですかもう10月も半ばになっちゃってるんですか。早いよ！
というわけで、今更ですがこの作品の製作過程レポートを。

タイトルは、「Binary Star」。中央の青年と少年を連星に見立てた物語です。

以下、かなりの長文です。
文末にて拍手お返事もしてますのでお心当たりのある方はご覧ください。ありがとうございました＾＾

（1）

これがことの始まり。
けだまが帰省して留守の間に、かんさすさんが描き残してってくれたものです。あとから聞いた話では、すごい暑い日だったので、砂漠をさまようサラリーマン、というイメージで描かれたそうで。うん、確かにそんな感じの印象を、私も受けてたのですが…

（2）

そこをあえて！全然違うイメージで塗りすすめてみる。
スペースエアポートの送迎デッキ、というイメージで地平線、床などの配置を決め、昔の少年小説の挿絵みたいな色合いが欲しかったので黄色と青緑をべったり置いてみました。すれ違いになっても「このイメージで行きたいです！」と意思表示するつもりで。
進んでるのに気付かれたかんさすさんも天井や人物に加勢してくれてます～

（3）

ある日入室したら、背景が水色に。このサプライズがたまらない。
人間以外の知的生物もうろちょろさせたいなあ、と思いタコ追加。「宇宙人だこ」でGoogleイメージ検索したら、私が参考にした資料が見つかります。まあ、ちょっと…見てやって。

（4）

ちょっと目を離してた間に、かんさすさんがすごい勢いで進めてくれてました！オモチャの宇宙船を手にした子供やチケットを持ったトリさんなどはもちろんのこと、柱の奥の補強の鉄線、落下防止ネットなどのさりげない追加がぐんとリアリティーを出してくれてて、流石です！

（5）

というわけで、ノリノリで進行していきます～
入室時間もすれ違いが少なくなり、進め方やタイトル、テーマなど直接話し合いながら進めています。
中央の青年と宇宙船を手にした子供が、「宇宙船の船長」という同じ目標を持っている、というイメージで、ぴったりの言葉はないかと辞書を漁り、「連星：二個の星が引力を及ぼし合って、共通重心の周りをまわっているもの（GOO辞書より引用）」という言葉を見つけました。
この頃から、ぱるさんも参加されて細かいとこの質感を整えてってくれてます。さすが模写クイーン。

（6）

子供が寄りかかってる機械が、ガイダンスから券売機に変更されました。

「この『DOWN FALL』って、イヤな社名ですよね」
「『ダラク』だから」
「堕ちそう…」

そんな会話をしながら楽しく進めてたんですが、ここでどーしても背景のドームが気になり始めた私。そもそもこんなとこにドームあったら離着陸に邪魔なんじゃ？誘導路のパースもキモチワルイよ～、とぐじぐじ悩む私に、「いっそ最初からやり直しもアリじゃない、例えば…」と無茶苦茶魅力的なアイデアを提供してくれるかんさすさん。
うわあ、さすがだ、素晴らしい。今にも「わーい、じゃあそれで♪」と飛びついてしまいたい。…そんな自分が、悔しい…！

その旨正直にお話したら、私のアイデアが浮かぶまで快く待っていただけることになりました。
とは言え、今後自分で解決できるのかどうかはさっぱり見当がつきません。本当に大丈夫なのか、私？

（7）

てなわけで、次の日。
とりあえず背景の細々したものを塗りつぶし、画面を前にひとりうーんうーんとうなってるところに、ぱるさんがやってきて、開口一番、

「なんか、更地になってるんですけど！」

驚かせてすみません…

更地になる前のことですが、券売機前の子供と親子連れには関連性がないほうがいいな、と思って奥の子供の服装を変更、ついでに親子の視線を空からお互いの顔へ移しました。
分かりづらいと思いますが、主人公のふたりだけが空（＝自由と冒険、孤独）を見つめていて、残りの人物は生活の場（＝安定と束縛）に意識がいっている、というのを出したかったのです。
かんさすさんのトリさんも男性から女性へ変更されてます。果たして彼女のエリマキは毛皮なのか羽毛なのか…！？
もし羽毛だとしたら、人間に例えると…！ぶるぶる。

（8）

さらに次の日。
地上絵みたいな誘導灯はどうだろう、と、安易かもしれませんが私なりの答えを。ナスカの地上絵やミステリーサークルを参考に、こんな模様を描いてみました。パースについても今度は慎重に、何度も描き直してます。
…まだ甘いかもしれませんが、これが今の自分の限界。

しかし結果はともかく、挑戦できたことに大いに満足です。
あの時背中を押してくれたかんさすさんに、感謝！

（9）

課題を乗り越えたあとは、みしみし描き込むのみ。
「いやーもう描き込むとこないよねコレ」と言いながらも、不思議と3人とも筆が止まりません。
このへんはぱるさんの得意とするところですね、今回作業面積は少なかったのですが、オモチャの宇宙船が空に浮かんでるのとお揃いになってたり、カバンからちょっとチケットが覗いて見えたりと、ちょっとしたとこに実に気が利いてます。
マツゲ追加と白目部分の彩度上げで、トリさんの目がパッチリに。
キュートですね可愛いですね！
タコにもマツゲつけたほうが良かったのかしら…

（10）

最後に宇宙船を追加して、完成！
合作らしく、ひとり一台ずつ描くことをノルマとしたのですが、あれっめちゃくちゃ増えてるよ！私とぱるさんは1台ずつしか描いてませんので、残りはかんさすさんによるものです。補給車にもDOWN FALL社のマークが入ってますね。誰がどれを描いたか、分かるでしょうか…？

私は合作経験は少ないのですが、ここまで意見を交わしあいながら目標を持って描けることって、たぶん稀なんじゃないでしょうか。こんだけ長文書いておいて、まだ言い足りなかったことが沢山あるんですけど…！とにかく、幸せな時間を過ごせました。いろんな意味でいい作品になった、と今でも眺めるたびに達成感がよみがえってきます。
かんさすさん、ぱるさん、お疲れ様でした、そして本当にありがとうございました＾＾

■18：45追記
おまけ。かんさすさんが上の絵を映画ポスターとして仕上げてくれました。
了承が取れましたのでリンク貼らせて頂きます。
KANSAS（かんさすさんのサイト）から、geolog→10/5の記事へお進みください～
（TOP画像やお絵描き掲示板の作品がまた素敵なので、あえて記事に直接でなくトップページを貼らせて頂きました）

　*　*　*

以下、10/13にいただいた拍手お返事です。

■1:45の匿名さん
うわーものすご驚きました！
美術手帖、私もたまに読んでます。そうそう、トン子ちゃん載ってた号、ありましたねえ。買い逃しちゃって後悔してます。最近文庫になって、入手しやすくなりましたので是非ご一読を＾＾
絵もいっこいっこ見ていただけたようで嬉しいです、ありがとうございました！

■はさはさん
「サクラサク」気に入っていただけてありがとうございます！
とにかくざっくり素早く描く練習のつもりだったので、某所投稿の際とんでもないミスを犯しちゃってましたが…こちらにあるのはローカルに持ち帰ってこっそり修正したバージョンです。
あっちのログ、実は残っちゃってるんだよなあ。検索には掛からなくなってるのでわざわざ掘り出す人はいないと思いますが、どうせならそっちが消えて欲しかった、かも＾＾；

その他、1時台にいくつか拍手いただいたかもです。
匿名さん連打した…？とにかく、ありがとうございました！